
初鰹
初鰹というにはちと遅すぎる時期ですが、わたしは高知生まれなので、
この言葉に反応してしまいます。
子供の頃この時期になると、近くの炭屋さんで炭俵をもらいに行き、
父がその藁で鰹を焼き、鰹のたたきを作ってくれました。
藁の香でいぶされた鰹をにんにくのスライスと三杯酢で食べます。
父の作る本格的な鰹のたたきは、今のわたしにとって、
まぼろしの味で、その後食べた高級料理店のそれよりおいしく、
未だに父の作った味を超えるものに出会ってないのです…
そして、今頃になって隠し味に気がついたのです。
その調味料の名は…
父の深い愛と私の父への愛だったんだと…
なあんて…
浦石 律








